不動産広告の「○○駅徒歩△分」の距離はどれくらいか?
賃貸物件のポータルサイトや物件の図面に記載してある最寄駅からの徒歩分数は、「1分=80m」と決められています。
これは、不動産業界の暗黙の了解という間違った見解がありますが、そんなことはありません。不動産公正取引協議会が定めた「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」によるものです。
直線距離 or 道のり?
距離といえども、最寄駅から物件までの直線距離ではなく、道のりです。
ただし、あくまでも、駅から物件までの最短の道のりとなります。
ちなみに、道のりとは、道路に沿った距離です。
分数は切り上げされる
駅徒歩表示の分数は、切り上げされます。
例えば、最寄駅徒歩10分の場合の距離は、「720mを超え、800m以下」となります。720mは徒歩9分となり、801mは徒歩11分と表示されることになります。
実際はここまで厳密に、真面目にやっている不動産会社はありませんが(汗)、押さえるポイントは同じ徒歩分数でも開きがあるということです。
スタートとゴールはどこからどこまで
小規模な物件であれば特に問題はないですが、敷地の広いマンションの場合、スタート地点をどこにするかで、1分くらい余裕で変わってきます。
規定では、エントランスではなく、敷地のうち最寄駅に最も近い地点からスタートとしています。一方で、最寄駅のゴール地点は、駅の敷地ではなく、改札がある地点としています。
しかし、この改札までというのは、不動産会社の社員が知らないことが多く、駅の敷地まで説いているケースが多いのが、実際のところです。首都圏のターミナル駅では、分数がかなり変わります。
都内の新宿駅、東京駅、渋谷駅、上野駅などは徒歩圏内に超高額の家賃の物件ばかりなので、気にする人は少ないですが…。
池袋駅、横浜駅、大宮駅などは広い敷地の駅ですが、徒歩圏内に普通の人でもそこそこ住める物件(1Kタイプで6万円~)があるので、注意しましょう。
80m=1分の基準とは?
そもそも、80m=1分なのでしょうか?
これをわかりやすく時速に直してみます。
1分で80m、1時間は60分なので、80×60=4800mとなり、時速4.8キロということです。なんだか、わかったような、わからないようなたとえになってしまいました(汗)。
横浜市スポーツ医科学センターHPによると、
25-29歳(男性)…85.2m/分
25-29歳(女性)…74.2m/分
となっています。
一般の人が、通常歩くスピードの平均として80mを1分としているようです。(但し、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」がこのデータを使用したのではなく、このページの事例として参考としています)
まとめ
不動産広告の最寄駅までの「徒歩分数」表示は、あくまでも目安として考えましょう。
引越した後のよくある「意外と遠いな!」は、距離が離れると誤差が大きくなります。不動産屋が適当に測っているのが実際のところです。
物件選びの段階で、いくつか候補が絞れたら、物件の所在地から最寄駅までグーグルマップで、自分で測ってみましょう。
更に余裕があれば、実際に歩いて確認するとより確実ですね。
「こんなはずじゃなかった!」と後悔することなく、ハッピーな新生活をスタートできます。
ご参考にどうぞ!